自動三次元測定機(カリプソ)の使い方!プログラム作成と操作マニュアル【第4回】要素追加と座標系

東京精密の自動三次元測定機(カリプソ)でプログラム作成・操作方法を学ぶ若手エンジニア 品質管理/品質保証

この記事を読めば、ゼロから自動三次元測定機の測定プログラムを構築し、思い通りの手順で安全に動かせるようになります!

  • [ ] 手動機のように直感的に測りたいのに、自動機の操作方法がわからない
  • [ ] 「リコール」や「結合」など、カリプソ特有の使い方が理解できず手が止まる
  • [ ] スタイラスをぶつけない安全なプログラムの作り方が知りたい

こんにちは、品質管理歴15年のakiです。 今回は、東京精密の自動三次元測定機(カリプソ)を使ったプログラム作成の実践編です!

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今でこそ自動機のプログラム作成をバリバリこなしていますが、導入当初は本当に失敗ばかりでした。 特に私がやらかした最大の失敗が、今回のテーマにもある「中間点」の設定忘れです。製品の奥にある穴を測った後、そのまま真っ直ぐ次の穴へ移動させようとして、間の出っ張りにスタイラスを全速力で激突させました。ガシャーン!という音とともにルビー球が粉砕され、青ざめたのを今でも覚えています。

自動機はあなたが作った「マニュアル(プログラム)」通りにしか動きません。だからこそ、機械に「どう動くか」を正しく教える作成方法を知る必要があります。この記事で、現場で本当に使える実践的な手順をマスターしましょう!


カリプソの安全な操作方法:激突を防ぐ「中間点の設定」

要素を測る手順の前に、絶対にマスターすべきなのが「中間点」の設定です。

東京精密 自動三次元(カリプソ)の使い方マニュアル!【第3回】激突を防ぐ安全設定とスタイラスの基本 で「退避面(安全な上空の箱)」を解説しましたが、製品の横側を測る時や、入り組んだ場所を移動する時は、上空へ逃げられない場合があります。

中間点とは「安全な経由地」

「ここからあそこへ行く前に、一旦この『中間点』を通ってね」と機械に指示を出す機能です。 手動でジョイスティックを動かし、安全な位置までスタイラスを持っていったら、カリプソの画面で「中間点の追加」ボタンを押すだけ。これで障害物を避ける安全なルートが作成できます。

自動三次元測定機の使い方:障害物を避けてスタイラスを動かす中間点の設定とプログラムの作り方

基本要素の追加手順:点・線・円・面の作り方

安全なルートが確保できたら、いよいよ実際に測定する「要素」をプログラムに追加していきます。操作方法の基本となるのは以下の4つです。

  • 点(ポイント):特定の1点の高さを測る時
  • 線(ライン):製品のフチや、面の傾きを見る時
  • 円(サークル):穴の直径や位置を測る時
  • 平面(プレーン):基準となる面や、平坦度を測る時

プログラムへの組み込み方

  1. メニューから追加したい要素(例:円)のアイコンをクリック。
  2. 画面左のリストに「円1」が追加されます。
  3. ジョイスティックを使って、実際の製品の穴をプロービング(測定)します。
  4. カリプソが「ここが円の座標だな」と記憶してくれます。

※測定ポイントのズレを直したい場合は、自動三次元測定機のプログラム作り方(点・線・円・平面の微調整) で解説した手順を使って修正してください。

カリプソ特有の使い方:「リコール」と「オフセット平面」

プログラムを効率よく作成するための超重要機能が「リコール」です。

要素のリコールとは?

「一度測ったデータを、別の場所で使い回す(呼び出す)」機能です。 例えば、「大きな穴(円)」を測ったとします。その後、その円の中心を別の計算に使いたい時、もう一度測り直す必要はありません。「リコール」で先ほどの円を呼び出せば、瞬時にそのデータを利用でき、測定時間の大幅な短縮になります。

オフセット平面の追加

「実際にスタイラスを当てられない空中の面」を作りたい時に使います。 底面を測定した後、オフセット平面機能で「Z方向に+10mm」と入力すれば、そこから10mm浮いた場所に「見えない仮想の基準面」が出来上がります。

カリプソ操作マニュアル:測定した面から指定距離離れた場所に作成されるオフセット平面の概念図

測定の土台となる「座標系の設定」と「結合要素」

図面通りの正しい寸法を出すために欠かせないのが、空間の基準となる「座標系」の作り方です。

座標系の設定

測定した「面」「線」「点」を使って、X・Y・Zのゼロ点と軸の傾きを設定します。

  • 空間回転(面):Z軸の向きと基準を決める
  • 平面回転(線):XまたはY軸の真っ直ぐな向きを決める
  • 原点(点や円):残りのゼロ点を決める この3つが揃って初めて、機械は「製品がどの向きで置かれているか」を正確に理解します。

結合要素の設定

測った要素同士を組み合わせて、新しい要素を「計算で作り出す」機能です。

  • 2つの「線」を交差させて「交点」を作る
  • 2つの「円」の中心を結んで「距離」を出す 自動三次元測定機は、手動機のように「測って終わり」ではなく、測った材料を組み合わせて答えを出すのが最大の特徴です。

検査結果を出すための「公差の設定」マニュアル

要素の準備と計算がすべて終わったら、最後に「公差」を設定して結果を出力します。

画面左側の「課題リスト」 から、出したい項目(距離、直径、位置度など)を選びます。そこに図面に記載されている「基準寸法」「上限値」「下限値」を入力してください。

ここで数値を打ち間違えると、不良品を「合格」として判定してしまう大事故に繋がります。入力後は必ず図面と見比べて、指差し確認をする癖をつけましょう!


明日からの一歩

今回は、要素の追加から公差設定までの「プログラム作成の一連の流れ」を解説しました。 明日現場で操作する時は、いきなり複雑な製品を測るのではなく、手元にある四角いブロック等で「面を測り、座標系を作り、長さを出す」という基本手順を練習してみてください。

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