1. シリンダーゲージとは?
シリンダーゲージは、ボアゲージとも呼ばれ、エンジンのシリンダーやベアリングの受け穴など、穴の内径(内側の直径)を精密に測るための道具です。
ダイヤルゲージとの関係
シリンダーゲージは単体では機能しません。上部に**「ダイヤルゲージ」を差し込んで使用します。** 穴の中のわずかな動きをダイヤルゲージの針に伝える、いわば「延長アーム」のような役割を果たします。

2. 各部名称と仕組み

測定子(接触子):実際に穴の壁に触れる部分。
ガイド(自動求心機構):穴の中でゲージが勝手に「真ん中」に来るように支えるバネ式の板。
握り手(グリップ):手の熱が伝わらないように設計された持ち手。
3. シリンダーゲージでしかできないこと
ノギスの「クチバシ」でも内径は測れますが、シリンダーゲージはここが違います。
- 「奥」が測れる:ノギスが届かない深い場所の径を測れます。
- 「歪み」が見える:穴の入り口、真ん中、奥を測ることで、穴がテーパー状(すり鉢状)になっていないか、楕円になっていないかを確認できます。
4. 正しい測定のコツ「振れ」を確認する
シリンダーゲージの測定で最も特徴的なのが、**「最小値を読み取る」**という動作です。
- 穴の中でゲージを左右にゆっくり振ります。
- 針が最も大きく振れた(=径が一番狭い、つまり真ん中を通った)瞬間を読み取ります。
- この「最小値」が正確な内径となります。
5. セットアップには「マスタ」が必要
シリンダーゲージは「差」を測る道具です。 あらかじめ「基準となるリングゲージ」や「マイクロメータ」でダイヤルゲージの**ゼロセット(基準合わせ)**を行う必要があることを覚えておきましょう。
6. まとめ:シリンダーゲージを使いこなしてこそ「プロ」
シリンダーゲージは、ダイヤルゲージと組み合わせて使うことで、ノギスでは決して届かない**「穴の深部」や「わずかな歪み」**を正確に教えてくれる頼もしい道具です。
今回のポイントを振り返ってみましょう。
- ダイヤルゲージとの連携:上部に取り付けたダイヤルゲージが、穴の中のわずかな変化を可視化する。
- 穴の「歪み」を検知:入り口・中央・奥と測ることで、目に見えない楕円やテーパー(すり鉢状)を発見できる。
- 「振れ」の最小値を読む:穴の中でゲージを振り、針が最も戻った瞬間を読み取るのが正確な測定のコツ。
- マスタ合わせが不可欠:必ず基準(リングゲージやマイクロメータ)を使って、ゼロセットしてから使用する。
最初は「最小値を読み取る」という独特の操作に慣れが必要ですが、これを使いこなせるようになれば、あなたの測定スキルは間違いなく一段上のレベルへ到達します。
測定物の形状や精度に合わせて、ノギス、ハイトゲージ、そしてシリンダーゲージを正しく使い分け、信頼される品質管理を目指しましょう!
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